パッティングでは個性的なフォームがしばしば見られます。
パットのストロークは他のクラブのスイングと比べて可動部や可動域が少ないので、ある程度”我流”でもヒットします。
極端なことを言うと、片手でパターを持って手首だけで振ってもカップインすることがあるでしょう。
しかしその我流は「入る確率が低い打ち方」かもしれません。
数球は成功しても、別の状況ではどうでしょうか?長くプレーを続けて、そのやり方でスコアが良くなるでしょうか。
井上透コーチは著書「弱小集団東大ゴルフ部が優勝しちゃったゴルフ術」で、パターはいろんな打ち方ができるからこそ、ちゃんとしたフォームを身につけるべきと主張されています。
同書の150~151ページを参考に、井上コーチの考えをまとめます。
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許容度が広いゆえにまずは”当たり前”のフォームを
パットはフォームの自由度が高いがゆえに注意が必要です。
パットは独自の打ち方でもカップインします。
入る確率が低い打ち方でも結果が得られてしまうため、いくらでも適当にできてしまう。
大事なのはそうならないことです。
ということで、パット練習では徹底して当たり前のことをします。
井上コーチの考える「当たり前」とはこのようなことです。
セットアップとストロークでの「当たり前」です。
セットアップ
・肩幅スタンスで立つ
・ボールは左目の真下からボール2個以内の範囲に置く
・グリップ位置は左目の真下
・ターゲットラインに対してスクエアに構える
・ソールしてパターのデザイン通りに構える
ストローク
・下半身は動かさない
・頭は動かさない
・フェースの芯で打つ
・ショルダーの運動で打つ
プロの世界でも、個性的なストロークでパッティングする選手がいます。
なのでもしかすると、一般ゴルファーでも「当たり前ではない」ストロークでパットする方がいらっしゃるかもしれません。
それが本人にとって最もスコアが安定し、気持ちよく打てるのであれば問題ありません。
ルールの範囲内であれば、とにかくカップインさせるのが目的なのですから。
しかしまだ上達途上であれば、セオリー通り「当たり前」のストロークで練習を重ねるのが良いのではないでしょうか。
パットで正しいストロークを身につけるのは他のクラブよりは容易です。
さいわい、パットは体の運動量が少ないので型で縛ることができます。
ショットに比べるとはるかに型の指導がしやすく、身につきやすい分野なのです。
結論としては「やっぱり”基礎”や”セオリー”は大事」という、極めてまっとうな話に落ち着きます。
ある程度長くゴルフをプレーしている方でも、「肝心なところでパットをミスする」など不調を自覚していたら、改めてパットの”当たり前”を見直してみてはいかがでしょうか。