「どうもスライスが直らない」という場合、多くのゴルファーはスイングのどこかがおかしいから、と考えるのではないでしょうか。
それは至極もっともであり、スイングを改善すればスライスが解消するのは当然ともいえます。
しかし時にはスイングではなく、使っている道具が原因になっているケースもあるようです。
雑誌「ゴルフトゥデイ」に、クラブフィッター・関雅史さんの記事がありました。
関さんによると、「合っていないクラブは様々なミスの原因になる」のだそうです。
特にドライバーは、スペックが合っていないとスライスが多発します。
記事のポイントを以下にまとめます。
(このコンテンツはGOLF TODAY 2018年3月号40~41ページを参考にしています)
ドライバーのスライスはスペックが不適なのかも?
ドライバーでスライスの原因となりうる”不適格スペック”は
・長すぎる
・重すぎる
の二つです。
まずは長さについて。
最近のドライバーは飛距離アップを追求して長くなる傾向にあり、46インチを超える長尺モデルも数多く販売されています。
確かにクラブが長くなればヘッドスピードは上がりやすいのですが、長くなるほど振り遅れが発生し、ミート率も低下します。
長尺モデルを使いこなすには練習が必要ですし、他のクラブとのつながりも悪くなります。
ドライバーでスライスが頻発するなら、まずは”長すぎではないか?”と検証してみましょう。
次にクラブの重さについて。
適度な重さであればスイングの安定度が高まりますが、限度を超えると、振りにくいハードなクラブになってしまいます。
最近のドライバーに多いカスタムシャフトは、アフターマーケット用のシャフトを最初から装着しています。
着けられているシャフトのスペックは60g台が多く、モデルによってはクラブ重量が315g以上になってしまいます。
これは42m/sくらいのヘッドスピードのゴルファーが振り切るには重すぎるケースが多いようです。
上の長すぎるケースと同様に振り遅れを助長し、スライスの原因となってしまうのです。
関さんの解説です。
ドライバーのスライスに悩んでいるなら、お使いのクラブの長さや重さを疑いましょう。
スイングの個性にもよりますが、一般的なヘッドスピード42m/s程度のゴルファーであれば、
長さは45.5インチ
重さは300~305g程度
を目安に、それ以上の長さや重さのドライバーをお使いでしたら、スライスを生み出しているのはクラブが原因の可能性大です。
たとえつかまり性能が良いヘッドであっても、長尺クラブや重すぎる重量のクラブだとスライスしてしまうケースが多々あります。
もちろん短すぎるクラブでもミスは生まれますが、スライスではなく他のミスです。
長さと重さをチェックしたら、次はシャフトの硬さにも注意してみましょう。
シャフトの硬さも適正のものを
ドライバーでは、長さ、重さだけでなくシャフトの硬さも考慮しなくてはいけません。
硬すぎ、柔らかすぎはミスの原因となるのです。
硬すぎるとリキみがちに
スイングの際は、無意識にしなりを感じてリズムを作っています。
もしもシャフトが硬すぎて”しなり”が感じられないと、知らずしらずのうちに”しならせよう”リキんでしまいがちになります。
言うまでもなく、リキみはあらゆるミスのもと。トップからの切り返しでシャフトの”しなり感”が希薄なら、しなりを感じられる軟らかめのシャフトに替えてみましょう。
軟らかすぎるとタイミングがズレる
上とは逆に軟らかすぎると、やや極端な表現をすれば自分のタイミングで振ってもヘッドが返ってこないケースが増えます。
スイングのタイミングがズレるわけで、ミート率は下がりフィニッシュが取れなくなります。
うまくミートできない、フィニッシュが決まらないなら今より硬めのフレックスを試してみましょう。
打った後にバランス良く立っていられるかどうか、がひとつの目安になります。
とかくドライバーは飛距離を追求して「長く重く」を意識してしまいますが、それはあくまで「ちゃんと振れる」範囲内でなければいけません。
ミスショットばかりでは飛距離も何もないのですから。
ドライバーのミスがどうも解消できない、と悩んでいるなら、スペックを一度見直してみてはいかがでしょうか。