「女子プロと男子アマはドライバーのヘッドスピード(HS)は同じなのに、女子アマのほうが飛ぶ」
という話を聞いたことはありませんか?
女子プロのHSは約40m/Sで、男子アマとほぼ同じです。
しかし女子プロの平均飛距離は240ヤードなのに対し、男子アマは210ヤードで、30ヤードも差があります。
なぜこれほどの差が生まれるのでしょうか?
JPGAティーチングプロの宮川まもる氏によると、その原因は
インパクト直後のボールの初速
にあるそうです。
ボールの初速は飛距離に大きな影響を与え、1m/S違うと約7ヤード変わるといわれています。
女子プロの平均初速は約60m/S、対して男子アマは約56m/Sです。
しかし、ここでまた疑問が。
HSがほぼ同じなのに、なぜ打ち出す初速に差が出るのでしょうか?
宮川氏の解説です。
男子アマのボール初速が落ちる原因はいくつかありますが、ひとつは「インパクト時のフェースの向き」があります。
アマチュアはインパクトの瞬間に開いて当たってしまうオープンフェースになる傾向があって、ボールをこするように打ってしまい、効率的に運動エネルギーがボールに伝わらないのです。
この解説で、「なぜフェースを閉じなければいけないのか」が理解できるのではないでしょうか。
「インパクトでフェースが開くと飛ばない」理論は、別のコンテンツでも紹介しています。
坂本龍楠コーチの「フェースを閉じるスイングの秘訣」は上のコンテンツを参照して頂くとして、宮川氏は下の二点をポイントとして挙げています。
それはハーフバック(テークバックの初動で、クラブが地面と平行になる位置)とトップです。
ハーフバックの位置で、体の前傾とフェースの向きが平行となっています。
女子プロはそのままトップまで、フェースを開閉しないように意識しています。
この状態でトップを迎えると、フェースは真上かやや右を向くことになります。
「ハーフバックの位置で、体の前傾とフェースの向きが平行」とは、ゴルファーを右腕側から見た時に、
体の前傾→/ /←フェース
という状態のことです。
そしてトップまで上げた時に、フェースが真上を向いていればOKです。
これが体の正面方向を向いていると、インパクトでフェースが開いて当たるのでNGです。
自分のスイングを右腕側から撮影して、ハーフバック時点での前傾とフェースの向きに注目します。
上のように平行になっていなければ矯正し、次のトップ時点でフェースが真上を向いているかチェックします。
そのスイングで実際にボールを打ってみましょう。
これまでより飛距離が出れば、フェースが閉じて、ボールをつかまえたスイングができていると考えられます。
最後に、理想的なハーフバックを作るため、宮川氏は軽いストロンググリップを勧めています。
試してみて下さい。