クラブもボールも年々進化しており、各メーカーが”よりまっすぐ、より遠くに”を売り文句にした製品を次々に発表しています。
 
道具の進化はゴルファーにとってはうれしいものですが、これは「以前とはフィーリングが違う」と感じるケースが増えるともいえます。


 
長くプレイしているプロになると、そのフィーリングの違いは顕著に感じられるようです。
 
雑誌週刊新潮2015年3/26号の青木功プロの連載「おれのゴルフ」で、青木プロが昔のクラブとの感覚の違いを語られていました。
 
スイングの際どういう感覚をお持ちなのかがわかります。
 
一部を抜粋して紹介します。

「曲げて覚えた」青木プロ「最近は曲がりにくくて困る」

一般に「曲がらない」ことは歓迎されますが、青木プロのように長いキャリアがあると必ずしもそうではないようです。

最近のボールとクラブは曲がりにくくなったので困っている。アマチュアの皆さんにとっては嬉しいことかもしれないが、おれみたいにボールを曲げてゴルフを覚えた世代には辛い。
 
いつだったか、顔なじみのゴルフライターとこの件について話をしたことがある。
 
「青木プロは半世紀にわたって第一線で戦ってこられましたが、現在のクラブと昔のクラブとではどちらが扱いやすいですか?」
 
「どちらかと言うと、昔のクラブの方がコントロールが利いたね」
 
「やはり、パーシモン時代ですか」
 
「そう。パーシモンに糸巻きのバラタカバーだった頃は、ドライバーで打った時のボールスピン量が毎分4000回転ぐらいあって、曲げてコントロールしやすかったんだ。
 
でも、今は2000回転を切ってしまうでしょ。ボールはスピン量が減ったことで直進性が増すから、それによって飛距離が出る。
 
だけど、その半面、コントロールも難しくてボールが上がらなくなったよ」
 

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「コントロールしようとする癖はなかなか抜けない」

「真っ直ぐ飛びやすい」ということは「曲げにくい」とも言えるはずです。
 
曲げる打ち方を多用してきた青木プロにとっては、違和感を感じる場面もあるようです。

「そんなものですか」
 
「そりゃあ、そうさ。それに風の影響も少なくなるので、そもそも曲げる技術が要らなくなってしまったように感じる。
 
最近のクラブは風が右から吹こうが左から吹こうが、それらの風に対して『これぐらいを狙えば風に乗って戻ってくるだろう』という計算でショットをイメージしているだけだもの」
 
「その方がやさしいじゃないですか」
 
「だけど、おれは風にぶつけたり、影響されにくい低い球を打ったりしてゴルフを覚えてきたから、この感覚が身体のどこかに残っているんだ。
 
だから、それほどコントロールが利かないと分かっている場面でも、打ってから瞬間的に手首を捻って調整してしまうところがあるわけ」
 
「長年の癖が抜けない?」
 
「感性でゴルフをしているからね。こればかりは抜けないよ。」

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「フェードが持ち球だと余計にとらえにくい」

青木プロが「やりにくい」と感じるのは、持ち球との関係もあるようです。

それと、おれは左から右に曲がるフェードボールが持ち球だろ。だから余計にコントロールが難しくなったんだ」
 
「フェードの方がコントロールしやすいように思いますが・・・」
 
「いや、左に曲がるドローボールならある程度ヘッドをターンさせてボールを捕まえていけるけど、切って打つフェードは今のクラブだと捕まりにくいんだ。
 
なかなか説明しにくいんだけど、インパクトの瞬間にボールがヘッドを滑っている感覚というのかな。フェードというよりも、すっぽ抜けて飛んで行く感じなの」
 
「つまり、フェードの方がボールを捉えにくいということですか」
 
「そうなんだよ。でも、逆に言えばある程度ボールを捕まえる感覚を覚えたらどうにかなる。捕まっていれば、逃がす球も打てるからな」
 
「なるほど」
 
「最初から逃がしているボールはただの擦り球だけど、捕まえる感覚があればコントロールの利いた球筋になる。おれはいつも練習でそのことを気にして打っているんだ。
 
アマチュアの人が理解するにはちょっと難しいかもしれないけど、それぐらいクラブは進化したってわけだよ」
 

感覚は本人しかわからず、なかなか伝わりにくいものです。
 
しかし青木プロのように長年活躍されているゴルファーが「こんな感じでスイングしている」ということを知るのはひとつの参考になります。

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