当然のことですが、パットのストロークはテークバックから始まります。
いわば「スイングの始まり」なわけで、ここをどう振り始めるかはパット全体の精度を決める重要なポイントのように思われます。
しかし藤田寛之プロは全く違う考えをお持ちです。
なんと、藤田プロはテークバックは全く意識しないそうなのです。
これはいったいどういうことなのでしょうか?
藤田プロの著書「ショートゲームには上手くなる『順番』がある」38~41ページから、藤田プロの考えをまとめます。
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テークバック(右サイド)を考えなくてもよい理由
まずは藤田プロのストロークに対する考え方をどうぞ。
アマチュアの方の8割以上は「テークバックを真っすぐ引く」とか「テークバックとフォローは左右対称」などと考えるようですが、私にとってこれはまったくのナンセンス。
テークバックのことは一切考えていません。
そうはいっても「テークバックは考えなくてもいい」とは、かなり乱暴な意見に聞こえます。
藤田プロの解説です。
丸めた紙くずをゴミ箱に投げ入れることを想像してください。投げるときに「どこまでテークバックしよう」と考える人はいないはずです。
キャッチボールでもそうです。投げる距離に合わせてフォローの出し方や手を振る速さはイメージしても、テークバックの大きさなど考えません。
パットもこれとまったく同じで、テークバックの大きさを決める必要はありません。もっと言えば、「右サイドのことは考えなくていい」。
極論に聞こえるかもしれませんが、私は実際にそうやってパッティングしています。
藤田プロはパットの距離感の基準はボールスピードです。
ボールスピードはインパクトの強さで決まり、その強弱をフォローの大きさやストロークの速さで調節しているのです。
多くのプロが「調子いい時は左サイドだけ」
私が知る限り、「テークバックは考えなくてよい」と解説しているのは藤田プロが初めてです。
しかし実は多くのトッププロがこの考えを裏付けるストロークを実践しているそうです。
世界のツアープロを含めて、「パターの上手い人のテークバックは必ずここに上がっている」という法則があるのなら私もちょっと考えますが、青木功さん、谷口徹さん、小田孔明くん、谷原秀人くん、みんな違うところに上がっています。
でも、ダウンスイングからインパクト、フォローはみんな同じ形です。
裏付ける話はまだあります。
「パットの調子がいいときは”左サイド”のことばかり考えている」。これはツアーの現場で多くのプロが言っていることです。
逆に「調子が悪くなると”右サイド”のことを考えはじめる」。これが、わけがわからなくなる原因だと思います。
ここまで言われると、確かにテークバックは考えなくてもいいのかな、という気がしてきます。
もしもあなたのパットが不調で「どうにもうまくいかないなぁ」とお悩みなら、思い切ってフォローだけを考える練習も実践してみてはいかがでしょうか。
パットはゴルファー各自の個性が出やすいので「テークバックでも意識したいことがある」という場合は難しいのはわかります。
しかしこれも「遊び」の一環として試してみると、意外と上達のきっかけになるかもしれません。
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