誰かから指摘されたり、自分のスイング動画を見るなどして「直したい部分」はないでしょうか?
そして「〇〇に力が入り過ぎ」「こうしたらいい」とわかっていても、なかなか改善しないとお悩みではありませんか。
そんな時に改善の助けになるかも?な考え方が、雑誌「トレーニング・ジャーナル(以下TJ)」で紹介されていました。
ちょっと古い記事なのですが、参考になりそうなので紹介します。
(このコンテンツはトレーニング・ジャーナル2013年8月号を参考にしています)
月刊トレーニング・ジャーナル2013年8月号
青木功プロ アドバイスを求められて指摘するのは
TJには、NPO神経現象学リハビリテーション開発機構の河本英夫代表理事による「『飽き』は個性を伸ばす好機」という記事があります。
その中で、青木功プロが他のプロゴルファーからスイングのアドバイスを求められた際のエピソードが紹介されています。
長期に渡って活躍しているプロゴルファーの青木功氏は、他人のスイングを見るのがうまいと言われています。
同じプロの選手からも、調子が出ない、本人はうまく振れていると思うが結果がついてこない、というときに相談を持ち掛けられるそうです。
海外での大会からの帰り、飛行機の中でも相談を受けることがあるのだとか。
そんな時青木プロは、相手選手に機内でもスイングをやってもらうそうです。
あなたが青木プロの立場だとして、「テークバックで手が硬くなっている」とわかった場合、どのようにアドバイスしますか?
つい「手を柔らかく」と言いたくなりますが、青木プロは違います。
「その手が硬くなっているから直せ」と言うのが普通のコーチです。
青木氏はと言うと、「前足の親指に力を入れろ」とか、全く別のことを言うそうです。
なぜこのアドバイスになるかというと、河本教授によれば
足に変化をつけることで、全体の動作の組織化の条件を変えていって、結果的に腕がすっと出るようにしていきます。
手が問題なのに、足に言及するのは的外れな気がしますが、根拠はちゃんとあります。
欠点を直接直そうとしてはいけない
根拠としては「欠点を指摘すると、余計に意識してしまう」といったところでしょうか。
このエピソードからわかるのは、基本的には欠点を直接直そうとしてはいけないということです。直そうとすればするほど力がこもってしまいます。
それを自覚して力を抜けるなら困りません。
ではどうするかと言うと、別の箇所の条件を変えます。それによって全体が組み変わる要素を使うというやり方があります。
つまり青木氏の、他の箇所に力を入れろ、意識をそこに向けろという指示は、逆に言えば力を入れろと言った以外の箇所には力を入れないということになります。
つまり欠点から意識をそらすわけですね。
では、それを通常の練習の中でどう活用するか。
欠点と言われるところには意識を向けないやり方がよいでしょう。
しかし、放置もいけません。ただ頑張れと言っても闇雲になるだけで解決になりません。
そうすると、何かの条件を変えるときに最も全体が組み変わりやすいところ、選択肢のうちただちに変更できそうなところを見て、そこをポンと言ってやることが必要です。
実はこの「他の場所を意識させる」やり方は、当サイトでも似たようなことを以前紹介しています。
例えばこちらのコンテンツでは
↓ ↓ ↓
石井忍コーチ 曲げないコツ 左脇に力 両肘を腰骨に
グリップの力みを無くすために左脇に力を入れる。
こちらでは
金田久美子プロ 力みをとるコツ 三本指に力
体の力みを抜くために、体の一点(左手中指、薬指、小指)だけをわざと力ませる、といった件を紹介しています。
ゴルフでは「力を入れてもOK」とされる箇所がいくつかあります。
どうしても力みが抜けない、あるいは何か直すべきパーツがあるなら、力を入れてもOKな部分を意識してみてはいかがでしょうか。
それでスイングが改善される保証はありませんが、試す価値はあります。
「意識しない」「無意識に任せる」関連として、こんなコンテンツも作っています。
↓ ↓ ↓
本番で無意識にスイングするにはジョー・ペアレント博士