アマチュアはもちろん、どんなに上手いプロでも、失敗はするものです。(私などは、失敗の合間にたまに成功する、という感じですが・・・)
しかし、アマとプロでは明らかに違う点があります。
それは、ミスをした後のメンタルの保ち方です。
青木功プロが、雑誌週刊新潮 2014年 3/13号(PR・Amazon)で、失敗してしまった後のメンタルについてエッセイを書かれていました。
※青木プロに関してはこちらにも記事があります。
(関連記事)青木功プロ 苦手なクラブ(番手)克服法
輝かしい実績を持つ青木プロでも、失敗した後の精神状態にはいくつかの変遷がありました。
内容を抜粋して紹介します。
ゴルフは「失敗ありき」のスポーツ
プロでもミスはしますし、ショットの多くは「まあまあ」なのが現実です。
ゴルフは「失敗ありき」のスポーツだ。
アマチュアゴルファーなら18ホールでナイスショットが出る確率は5%以下と言われているくらい、コースでは圧倒的に上手くいかない時の方が多い。
我々プロでさえ、18ホール中に納得いくショットは数回あれば上出来で、後は失敗とまでは言わないが「まあ、いいだろう」と妥協するのがほとんどである。
それでも全体でナイスショットとミスショットが1割ずつ、どちらとも言えないまあまあのショットが8割なら、パープレーのラウンドができる技術がある。
ただ、ミスショットが2割以上に増えると、よっぽど運がなければ達成するのは難しい。
アマとプロでは「まあまあ」と「納得いく」のレベル自体が違うとはいえ、プロであっても意外と妥協しながらプレーしていることがわかります。
プレーヤーによって考え方は違うかもしれないが、おれはゴルフで結果を残すためにはある程度のミスはあって当然だと思うようにしている。
もちろん、ショットの前は常に目標物のピンに「寄せてやる」っていう気迫を持っている。
「ミスをしたらどうしよう」というマイナスの考えはいっさい入れない。
(中略)
第一、失敗したところで命まで取られるわけじゃあない。
左にOBがあれば「ああ、そうなのか」、バンカーが手前にあるなら「入ったら入った時だ」と、気軽に考えられるようになれば、それだけで大きなミスはだいぶ減るものなのだ。
「ショット前に余計なことを考えない」のは、このサイトでもたびたび紹介しています。ましてやそれがネガティブな考えであれば、なおさら禁物です。
それでも、ミスをすることはあります。
そんな時はどうするのでしょうか?
それでも失敗したら、その時はきっぱり気持ちを切り替える他ない。
打ってしまったものは後から取り戻せないわけだし、プレー中ずっとその一つのミスをくよくよ引きずっていたら、いつまでも次のナイスショットにはつながらない。
ゴルフは精神的な部分が影響しやすいスポーツだから、それだけに素早い気持ちの切り替えと、どんな状況でも耐えられる強い精神力が必要になってくるのである。
「気持ちを切り替える」とはよく聞く話ですが、その内容はちょっと注意が必要かもしれません。
青木プロの考えを紹介します。
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怒りや落胆を消して前向きに 青木プロが意識を変えたきっかけ
「切り替える」といっても、「失敗を忘れる」のではなく、もちろん投げやり・自暴自棄になるのでもありません。
青木プロはこう考えています。
20代の頃、おれはよく「しゃんめぇ」と言ってミスショットを断ち切っていた。
「終わったことは仕方ない」という意味だが、この言葉を口にするのは自分自身の”逃げ”みたいな部分もあった。
当時は「勝てなければ2位もビリも同じ」といった考えで、優勝できないと分かると途中で投げやりなプレーをしがちだった。
若気の至りというのかな、要は我慢が足りなかった。
ところが、予選ビリから優勝した1976年の「東海クラシック」辺りから意識が変わってきた。「諦めなければ何とかなるもんだな」と、怒りたい気持ちをグッと堪えるようになった。「忍耐」という言葉を座右の銘にしたほどで、今では失敗しても「この場面を乗り越えなさいって、ゴルフの神様が試練を与えてくれたんだ」と思っている。
すると怒りや落胆が消えて、「よし、次のショットを頑張ろう」と前向きな気持ちになれるのだ。
(中略)
よく「失敗は成功のもと」と言うじゃない。
いつまでもミスを悔やんでいるくらいなら、次の一手を考えた方が成功につながる。
大袈裟だけど、失敗を悔やむ前にそれを喜ぶくらいの気持ちでなければ、どんな世界でも成功する確率は上がらないのだ。
以前、スポーツのメンタルに関する本を読んでいたら、選手に対して「試合中に失敗したら、あえて笑ってみなさい」と指導する、というトレーナーの話がありました。
私としては、笑うよりも無表情のほうがいいような気もしますが、「むしろ喜ぶ」という青木プロの考えに通じるものがあります。
突き詰めていくと、ゴルフも人生も失敗の繰り返しで成長するものなんだな。
最初から全てを上手にできる人間なんていやしない。
「ああそうか、こういうものなんだ」「次はこうやってみよう」って、失敗するからこそ次につながる何かを見つけて成功するんだ。
だからミスの後はしっかり反省もして、新たな課題を見つけて”なぜ失敗したのか”を追求していかなければ、また同じ失敗を繰り返すことになる。
まとめてみると・・・
・といっても自暴自棄になったり、失敗を忘れたりするのではない
・失敗を「より上手くなるための試練」ととらえ、反省点・改善点をみつける手がかりとする
・・・といったところでしょうか。
わかってはいても、実際にミスしてしまうと、メンタル面のコントロールはなかなか難しいもの。
私としては、とりあえずムカついたり、そのラウンドをあきらめたりするのはやめようと思います。あとは、反省・改善点も可能な限り見つけて、練習に活かすとします。