ゴルフ好きの男の子グリップはゴルフの話題としてはやや地味な印象がありますが、工夫することでプレーが大きく改善することがあるようです。

このコンテンツでは、「手元のちょっとした違い」が差を作る例をまとめています。
 
一般ゴルファーがすぐに真似できることも多いようです。




アイアン・アプローチで逆オーバーラッピンググリップ

通常のショットでは右手の小指は左手の上にのせます。
 
しかしウッズ選手は「パット時のグリップで普通の打ち方をする」ときがあります。
 
パッティングでは、ショットとは逆に左手の人差し指を右手の上に置く「逆オーバーラッピンググリップ」が一般的です。
 
パッティング
 
ウッズ選手は、このグリップでアイアンを打つことがあるのです。
 
宮里家の選手達も、グリーン周りからのアプローチでやわらかく止まるボールを打ちたいときはこのグリップで打ちます。
 
ウッズ選手は06年11月に行われたダンロップフェニックスオープン2日目、パー5の4番、残り6ヤードを6Iでねじこむチップインイーグルを決めました。
 
このときのウッズ選手のショットが、宮里家も使う「パットと同じグリップ」のショットだったのです。

大山志保プロの雨天時ドライバーのグリップ

大山志保選手は雨の日にドライバーを打つときのコツとして、ドライバーを1インチ(2.54センチ)短く持つようにしています。
 
短く持つと飛距離は落ちてしまいますが、ミート率は上がります。
 
雨が降るとレインウェアで体が回らなくなる上に、フェアウェーがやわらかくなってランも短くなるため、大山選手は「雨の日の飛距離はあきらめる」そうです。
 
その代わりにミート率を上げることを意識しているので、大山選手は雨天の試合でも成績がいいのだとか。

宮里選手は試合中にパットのグリップ修正

ゴルフ好きの女の子06年10月、富士通レディース2日目、9番までの8ホールを宮里選手は1ボギーノーバーディーのスコアでした。
 
そしてパー4の9番では、まさかの3パットでボギーをたたいてしまいます。
 
これで通算3オーバーで予選落ちもありうるスコアに。
 
しかしここで宮里選手は、ある決断をします。

パッティングのグリップで左右の手を2センチくらい離すようにしたんです。そうしたらボールの転がりが良くなって、最後に切れずに入るようになったんです。

この修正を、ハーフの20分ほどの待ち時間に行いました。
 
この微調整で、10番から13番まで怒涛の4連続バーディー。さらに16、17番でもバーディーをとり6つもスコアを伸ばしました。
 
たった2センチの違いでこれほどまで差が出るのですから、ゴルフは何とも微妙で難しいものです。
 
パットする女性

石川遼選手のグリップ変化 オーバーラッピングとクロスハンド

石川遼選手はプロに転向してからグリップを変えています。
 
以前の石川選手は右手小指と左手人差し指をからませるインターロッキンググリップで握っていました。
 
チャリティーイベントで尾崎将司プロとラウンドした際、オーバーラッピンググリップを尾崎プロから勧められました。それ以降、オーバーラッピンググリップに変更しています。
 
オーバーラッピンググリップは右手の小指を左手人差し指の上にのせる握り方です。
 
インターロッキンググリップは力の弱い女性プロやジュニア選手にむいています。
 
握力などがアップしているプロツアーではオーバーラッピンググリップが主流ですが、例外的にタイガーウッズ選手はインターロッキンググリップを使用しています。
 
石川選手のグリップについて、話題をもうひとつ。
 
2010年7月に開催された国内男子ツアー「セガサミーカップ」の第2ラウンドで、石川遼選手はプロ転向後初めてクロスハンドグリップでパットしました。
 

 
この件に関するコメントが「東京スポーツ」さんに載っており、なかなか示唆に富んでいたので紹介します。

(第2ラウンド前の)練習グリーンでクロスハンドで握って、順手よりスムーズだった。
 
このまま18ホール戦ってもパットが良くならない確信があったので、いいストロークを心掛けようと思って、クロスハンドにした。
 
(クロスハンドグリップは)右手の強さを制御する握り方。
 
右手が強すぎると、ボールの回転が悪くなる。(クロスハンドは)左手主導で肩を動かしてストロークできる。
 
右手が強いと、右手に頼って手先で打つストロークになりがち。
 
昨年の優勝したトーナメントは、今と違って肩で打てていた。これからの自分のために、クロスハンドで戦っていこうと決めた。
 
1メートルくらいのショートパットは、順手より手で入れにいかなくなった。ど真ん中から入るようになった。

このサイトでは、クロスハンドグリップについて何度かとりあげています。
 
そのいずれも、「(プロ選手が)クロスにしてからパットが良くなった」という旨の記事です。
 
※参考
パットでのクロスハンドグリップ
 
もちろん、「悪くなった」というケースもあると思いますが、パットがどうしても思うように転がらないなら、一度はクロスハンドを試してみるのも良いのではないでしょうか。