ゴルフ好きの男の子プロ並みに上手い人でない限り、ゴルファーなら誰でも苦手なクラブ(番手)があるのではないでしょうか。
 
「自信がないから、コレは使わずに別ので打とう」と妥協(?)した経験が一度はあるはずです。


 
青木功プロが、雑誌週刊新潮2014年10月30日号のエッセイで、苦手なクラブを克服する方法を書かれていました。

一部を抜粋して紹介します。
 
(このコンテンツは週刊新潮 2014年 10/30号(Amazon)114~115ページを参考にしています)




クラブと信頼関係を築く 苦手を使わないままだと…

青木プロの言葉では「克服する」というより、そのクラブと「信頼関係を築く」ということになりそうです。

ゴルフでも「これを持ったら誰にも負けない!」という好きな番手を作るのも重要だけど、嫌いな番手を作らないことも同じくらい大切だ。
 
例えば、「ここは4番アイアンを使う距離だけど、このクラブはあまり好きじゃないから5番で思いっ切り打つか、それともウッドで弱めに打とうか」と迷って、結局苦手な4番を使わなかったとする。
 
しかしそれだと、このクラブの良い部分や悪い部分をずっと分からないまま放置することになってしまう。
 

 
せっかく14本ものクラブを使えるんだから、ゴルファーとしてはその全てと”信頼関係”を築かないともったいない。
 
(中略)
 
クラブの好き嫌いが激しい人は使う番手が限定されてくるので、場面に応じたクラブの選択に迷うことが多い。迷いが残ったまま打てば、どうしたって失敗につながりやすくなるのである。

とはいえ、「いまいち自信がないなぁ・・・」と感じるクラブは存在するもの。
 
青木プロにも苦手なクラブはありました。
 
青木プロは苦手意識をどうやって克服し、クラブと信頼関係を築いたのでしょうか?

苦手なクラブと信頼関係を築くには「嫌なイメージを残さないために」

その方法は、以下のとおりです。

実際のところ、かつてはおれも全てのクラブが好きだったわけじゃない。得意な番手も、苦手な番手もあった。
 
だけど、「全てのクラブと信頼関係を築きたい」という思いから、あることを意識するようになった。
 
例えば、パー3のホールでティショットを5番でアイアンで打ったとする。それがグリーンから少しこぼれた場所に止まって、ピンまでは10メートル以上残っている状況だとしよう。
 
プロや上級者なら、サンドウェッジやアプローチウェッジを使ってピンの手前でスピンを掛けてボールを止める選択があるだろう。
 
アベレージゴルファーならば、9番アイアンあたりでコロコロと転がして寄せてもいい。でも、おれはそんな時には、続けてティショットで使ったクラブを手にすることがある。
 

 
グリーンに乗らなかった理由は色々と考えられるけど、結果的に「乗せよう」と思って打ったショットが乗らなかったわけである。
 
でも、「5番アイアンで失敗した」という結果だけが頭に残ってしまうと、次に同じクラブを使う時まで嫌なイメージが残ってしまう。だから、おれはそれを払拭する意味もあって、敢えて同じクラブを使うのだ。
 
要は「苦手なクラブ」を作りたくないのである。
 
もちろん、そのショットが失敗する可能性はある。その時は、「ごめんな、もっと練習するから許してくれ」ってクラブに謝って、もっと技術を磨けばいい。
 
上手く寄せてパーで切り抜けられればその番手を嫌わずに済むばかりか、逆にどんどん好きになれるし、新たな技術だって覚えられる。

クラブに対する青木プロの考え方は、道具というより”相棒”との付き合いのようですね。
 
こういう意識を持っていれば、確かに信頼関係を築けそうです。

私の凄腕友人も「できるだけ苦手クラブを使う」

ゴルフ好きの男の子ちなみに、見ていてアゴが外れるほどゴルフがうまい私の友人も、青木プロと似たようなことを言ってました。
 
友人いわく、苦手なクラブを克服するには、
 
「ティショットからパットまでに、そのクラブをできるだけ使うこと」
 
大崩れする、あるいは苦手意識のあるクラブって、多くは2打目からグリーンに乗せるまでに使うクラブじゃないですか?
 
友人は、苦手なクラブをその間にできるだけ使うよう勧めているのです。
 
もちろん、ティショットから使っても問題ありません。
 

 
その話を聞いた時は、「状況に応じた(と自分が思う)クラブを使ったほうがいいんじゃないかなぁ」と考えたのですが、青木プロが似たようなことをやっているとなると、やはり正しいアドバイスと言えるのではないでしょうか。
 
もちろん、あまりにも状況にそぐわない場合はダメですが、
 
「ちょっと距離が遠い(近い)」
「ちょっとラフが深い」
「これで十分上がるかな?」
 
くらいの差異であれば、振り幅やスタンス、ボールの位置などを工夫して対応するのです。
 
ものすごい失敗をする可能性も高いですが、友人いわく、どんなに苦手なクラブでも
 
「そうやって30回も打てば、1回くらいは『おっ?意外と上手くいったな』と思えるショットがある」
 
のだとか。
 

 
その1回で苦手意識が消えなくても、その時の振り幅やスタンスなどは、次の「上手くいくショット」に必ずつながる、と言っています。別のクラブを使う際の参考にもなります。
 
そのためには、自分がどのように打っているかをしっかり意識する必要がありますが。
 
ゴルフ好きの男の子結局のところ、苦手なクラブを克服するには、できるだけそのクラブを使うという極めて常識的な結論に落ち着きそうです。
 
「苦手」というのは、自分の思い込みに過ぎません。
 
そのうち上手くなる、あるいは上達途上にあるクラブと考え、青木プロではありませんが「ごめんな、もっと練習するから」と頻繁に使っていれば、何かのきっかけにその「思い込み」も無くなるのではないでしょうか。

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