最近はアマチュアゴルファーでも、様々な”データ”に接するようになりました。
弾道測定器を備えた練習場も増えているようです。
そうしたデータと感覚にズレが起きた場合、どちらを重視すればよいのでしょうか?
「打感は良いけどデータはイマイチ(もしくはその逆)」の時どうする?
個別レッスンなどで導入されている弾道測定器は、ボールを打った瞬間の、
・ヘッドの速度
・ヘッドの入射角
・ボールの速度
・ボールの回転数
などを瞬時に測定・表示します。
最近はショップでも使われていて、試打の際に測定した経験のあるゴルファーも多いのではないでしょうか。
さてここで、あなたが2本のクラブを試し打ちして、測定器でデータをとったとします。
その結果が、
1 スイングの感覚はイマイチだけど、数値のデータは良いクラブ
2 スイングの感覚は良いけど、数値のデータはイマイチなクラブ
という場合、あなたはどちらのクラブを選択しますか?
「良い」「イマイチ」の程度にもよりますが、これは悩みどころではないでしょうか。
倉本昌弘プロが、雑誌「週刊新潮」でこの件についてコラムで言及されています。プロでも、こうした「データと感覚のズレ」を感じることはあるようです。
以下にポイントを抜粋して紹介します。
(このコンテンツは雑誌週刊新潮 2017年6/15号(Amazon)108ページを参考にしています)
倉本プロは感覚を重視 データとの折り合い
倉本プロも弾道測定器は使っており、ショットの調子や安定度、自分とクラブの相性を数値で確認しています。
しかし使うのは年に数回程度であり、ものすごく頻繁にデータを取っているというわけではありません。
というのも・・・
普段は新しいものを積極的に採り入れる僕も、この弾道測定器はそれほど熱心に使わない。
なんというか、僕自身の感覚とこの機会の数値に微妙なズレがあるというか、自分の感覚を信じたい気持ちがあるからだ。
この考え方は、データと感覚にズレがあった場合のクラブ選択に当然反映されます。
新しいクラブを選ぶとき、自分が打った感覚はよくないが、弾道測定器の数値的には評価が高いクラブがあったとする。
科学的なデータを優先するなら、測定結果を尊重して、そのクラブを採用すべきだろう。
逆に、測定結果は測定結果はあまりよくない。けれど自分自身の打った感覚はすごくいい。
このクラブは選ぶのを断念すべきだろうか。
これに関して、僕のスタンスははっきりしている。
たとえ弾道測定域の評価が低くても、自分で使った感覚がよければそのクラブを選ぶことにしている。
倉本プロの場合、自分の感覚を優先する、ということです。
倉本プロの考え方とは逆に、データを優先してクラブを使っていると感覚のほうが馴染んできてスコアも良くなる、というケースもあるでしょう。
データと感覚のどちらを優先するかは人それぞれであり、”ズレ”の内容にもよる話なので、結論は簡単には出ません。
実際にコースに出たら、感覚はまた違ってくるのが難しいところです。
ちなみに倉本プロの場合、適正回転は2100回転くらいです。
一打ごとに幅はありますが、1900~2300回転くらいに収まるのが理想なのだそうです。