距離感というとパターを連想しがちですが、その手前、つまりアプローチでの距離感も非常に重要です。
近くに寄せるほどパットが楽になるのは言うまでもありません。
アプローチの距離感を、プロはどのように判断しているのでしょうか?
藤田寛之プロの著書「ショートゲームには上手くなる『順番』がある」に、藤田プロの距離感の考え方が記事になっていました。
同書の150~153ページから一部を抜粋して紹介します。
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落とす場所とランのスピードをイメージする
藤田プロは「距離感はランのボールスピードを考慮して割り出す」として、以下のようなシチュエーションでのアプローチ例を解説されています。
一緒にイメージしながら読み進めて下さい。
一例として、ボールからエッジまでが5ヤードで、エッジからカップまでが15ヤード。ピンまでのトータル20ヤードのほぼフラットな状況を想像してください。
私がアプローチをする場合、「エッジから2~3ヤードのポイントにボールを落とす」ことをひとつのルールにしています。
このケースだとボールの位置から7~8ヤード先のグリーン上に落とし、そこから先は転がしたいので、ひとまずその寄せ方をイメージします。
どのへんに落とすかは、多くの方が各自の目安をお持ちではないでしょうか。
肝心なのはここからです。
グリーン上にポトンと落ちたボールは転がってカップに向かいます。
ここで強調したいのは藤田プロが転がるスピードを距離感の目安にしている点です。
このケースでは、強めに打つロングパットをイメージするのです。
それができたところで、ボールがグリーンに乗ってから転がるスピードを想像します。
落下ポイントからカップまでパターで打つとしたら、どれくらいの強さで打つ必要があるのかを考えるわけです。
具体的にはボールから7~8ヤードのグリーン上に立ち、そこから12~13ヤードのロングパットをイメージします。
落とす場所、転がるスピードがイメージできたところで、クラブ選択を考えます。
次に「どのクラブで打ったらそのスピードで転がるか」を考えます。
たとえば、3番アイアンで打ったらすごく速く転がるでしょう。逆に、サンドウェッジで上げたらショートするのは目に見えています。ピッチングウェッジだとカップの奥3~4ヤードにオーバーするかもしれない・・・。
こんな風に考えをめぐらせ、ここはアプローチウェッジだなと最終的な判断を下します。
ここではじめて使うクラブが決まるわけです。
クラブが決まれば、アドレスやスイングの幅なども決まります。
打っている自身のイメージも具体的に作れるようになるのです。
藤田プロによると、ショットが成功するかどうかはこの時点でほとんど決まるそうです。
藤田プロの解説を続けます。
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ショットするイメージを固めて素振り→8割方はここで決まる
いよいよ実際のショットの直前、素振りの段階です。
クラブが決まった時点で、そのクラブで打ったときの映像を自分の中で描きます。
普通に打つとショートしそうだと思ったら、ボールを右寄りにして低く出る強めの球をイメージ。それを素振りで再現します。
素振りではエッジから2~3ヤードのところへキャリーする動きを繰り返しますが、これがとても大事な作業になります。
素振りと書いていますが、これは実際のショットと同じと意識しなくてはいけません。
ボールを打たないだけです。
これまでに作った自分のイメージを実現できるスイングを素振りでやるわけです。
このイメージの中には、転がるスピードのイメージも当然含まれています。
ここまできたら自分がやるべきことはすべて決まっているので、新たにイメージすることはひとつもありません。
素振りで何度か客観的に打っているので、打ち方で迷うこともありません。
迷いがないので時間はかからず、スパッと打てます。
ですから私は、アドレスしてから打つまでがすごく早いと思います。
プロ、アマを問わず、構えてからモジモジして「どう打つんだったっけ?」とやっている人に上手い人はいません。
そこで考えても時すでに遅し。成否の8割方は”打つ前”決まっているのです。
「モジモジするのはNG」と言っても、実際にはモジモジしますよね?(私はします)
「どこに落とすか」「転がるスピード」をビシッとイメージできるようになるには、やはり日頃から意識することが大事ではないでしょうか。
練習場ではもちろん、普段なんとなく素振りする時でも・・・
・アプローチを想定して
・特定のクラブを握っているつもりで
・グリーン上の狙った位置に落とし
・カップまで転がるボールスピード
をイメージしつつ素振りしてみてはいかかでしょうか。ちゃんと目的のある素振りをするわけですね。(下の関連記事をご覧ください)
ちなみに藤田プロはパットにおいてもボールのスピードを距離感の基準にしています。
この件についても、下に関連記事を作っています。
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