フィニッシュの時点ではすでにボールは打ち出しているので、フィニッシュ自体は弾道などには影響しません。
しかしフィニッシュが「崩れて」いるなら、それまでのスイングに何らかの不備があったことを表わしている場合が多いようです。
つまり、
フィニッシュが決まっていない=スイングに改善点がある
と考えられるのです。
フィニッシュの決まり具合がスイング全体の評価の目安になるとも言えるでしょう。
正しいフィニッシュのポイントを紹介します。
・左脚がまっすぐ伸びていて体重のほとんどはその左脚に乗っている
これは最も大きなポイントです。
右足はごく軽いつま先立ちになっています。
右足に重心が残ったフィニッシュでは身体がうまく回転していないはずです。
まっすぐな左脚がそのまま上体にもつながっているため、こうしたフィニッシュを「I型フィニッシュ」と呼びますが、厳密には上半身はわずかに右へ傾いていてもOKです。
「倒れている」ほど傾斜している場合、スイングのバランスが崩れてしまっています。打ち上げる意識が強くなりすぎると「倒れる」ことが多くなります。
そして、片足で立っているとはいえ、グラグラ・フラフラしてはいけません。
フィニッシュでバランスを崩しているということは、それまでのスイングに何らかの改善点があると考えられます。
そして
・フィニッシュの後、地面を蹴ることなく右足を一歩前へ出すことができる
かどうかも、体重移動ができているか、また左脚に体重を乗せているかを知る目安になります。
・両手の位置は左肩の上で、左耳より低くなる
・右肩はあごの下
・クラブヘッドは右肩の前方やや下あたり
上の三点ができていない場合、その主な原因は「振り切れていない」ことが考えられます。
振り切れていない場合、そのスイングのフィニッシュにはなんとなく中途半端な印象があります。
「振り切る」というと力を入れるイメージがありますが、力を入れてはいけません。「振り切れない」のは、腕や肩に余計な力が入っているからなのです。
余計な力を入れず、ヘッドの加速に任せて身体の回転でスイングすれば自然と振り切れるはずです。
スイングで正しいフィニッシュを作るには、
→そこから「逆回し再生」のようにバックスイングのトップまで振り上げる
→そこから普通にスイングし、正しいフィニッシュを決める
といった練習を繰り返すと効果的です。
重心移動もスムーズになり、余分な力が入ることも少なくなります。
そして、「フィニッシュで窮屈になる」とはよく聞く話です。
バランスは良いのですが、インパクトの後でアゴや肩のあたりがどうも「つっかえる」感じがしてスイングが回転しきれず、窮屈になってしまうのです。
「フィニッシュが窮屈になる」という意識があると、スイング自体が縮こまった感じになり、「スパーンと気持ちよく振り切る!」スイングができなくなります。
窮屈になる理由はいくつかありますが、最も多いのは「肩の回転がもう少し足りない」ケースではないでしょうか。
肩が回りきってないため、手だけがフィニッシュへ上がる形になり、腕が「つっかえて」窮屈になってしまうのです。
そこで、これを改善するために
フィニッシュでは、右肩を目標に向ける
ことを意識してみてはどうでしょうか?
これにより、腰ではなく肩の回転の「もうひと押し」がグッと入ることになり、窮屈でないフィニッシュが決まるようになるはずです。
プロのスイング動画を見ると、右肩が目標に向くまで回転していることがよくわかるのではないでしょうか。