ゴルファーであれば、ショットの「正確さ」「反復性・再現性」を上げたい、とは誰もが考えるもの。
スイングの練習をするのはそれが目的のひとつと言えるかもしれません。
そのための練習法は無数にあり、このコンテンツではそのひとつを紹介します。
ものすごくシンプルなので簡単に実践できます。
内藤雄士コーチの著書「ゴルフ 現代スイングの結論」38~48ページを参考にしています。(太字などの文字修飾は当サイトによるものです)
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正確さや再現性を阻害する「無駄な動き」
正確さや再現性の高さといえば、やはりトッププロのスイングです。
なぜ一流選手のスイングはこれらを実現させているのでしょうか?
内藤コーチはこのように解説されています。
世界の一流プレーヤーたちが、ドライバーシヨットで300ヤード近くも飛ばせるのは類いまれな身体能力と日頃の鍛錬の賜物です。
でも、ショットを正確に打てる点やスイングの反復性や再現性が高いという点で考えると、スイング中の無駄な動きが一切ないのが一番の理由になります。
「無駄な動き」とは何かというと・・・
無駄な動きとは、正しいスイングには必要としない動きのことです。
一例を挙げると、手首を折る、ヒジを曲げる、頭や腰が左右に動く、頭が上下動して前傾角度が変わる、両ヒザの角度が変わる、両足がバタバタする、などです。
「無駄な動きを無くせばよい」というわけですが、ここまで読んで頂いたゴルファーの中には
「それはわかってるんだけど、そのために何をすればいいの?」
と感じた方もいらっしゃるはず。
内藤コーチによると、そのキモは”体幹部”にあるようです。
スイングから無駄な動きを極力取り除くには、腕や手をどのように動かしてクラブをどう振ろうかを考える以前に、スイングの動力である体幹部の軸回転をしっかりとマスターしておかなければなりません。
内藤コーチによると、この軸回転が実践できていないと「腕や手が悪さをしてスイングの軌道に誤差が生まれる」のだそうです。
その軸回転をマスターするための練習法があります。
内藤コーチのやり方を紹介します。
軸回転を身につける練習法(直立)スイング中も目線を変えない
軸回転をマスターするために、内藤コーチはスイング中も目線をキープする練習法を提唱されています。
やり方は以下のとおりです。
目線をキープする感覚を養う練習法は、まず鏡の前で直立の姿勢になり、クラブを両手で水平に持ちます。そして真正面の鏡に写っている自分の両眼をしっかりと見つめましょう。
このときの目線をできるだけキープし、体幹を右に捻って肩と両腕、クラブを一緒に動かすのです。
「クラブを両手で水平に持つ」とはこんな感じです。
いきなりブルース・リーですが、本当にこんな持ち方です。肩くらいの高さにキープします。この状態で体を捻ります。目線をキープをお忘れなく。
この時に注意点があります。
頭が右に動いたり、首が傾いたりしてはいけません。
両ヒザが大きく動いたり、両足がバタバタしたりしても駄目です。
目線は少しくらい動いても構いませんが、頭のてっぺんは絶対に動かさないことです。
簡単そうに見えますが、スイング中に無駄な動きをする人は案外これができません。
右にターンしたら、同様に左にもターンしてみましょう。もちろん、目線はキープしたままです。
単純な動作ですが、効果は抜群です。
この練習を繰り返すことで体の柔軟性が向上し、スイングの基本動作がスムーズにできるようになります。
それだけでも世界の一流プレーヤーたちのスイングに大きく近づいたことになるのです。
この動作ができるようになってきたら、次はアドレスと同じ前傾姿勢で行います。
前傾姿勢でチャレンジ 重心と前傾角度キープ
直立で目線をキープする感覚をつかんだら、今度はアドレスと同じ前傾姿勢でやってみましょう。クラブはお腹ぐらいの高さになります。
そのままスイングの要領で体を捻ります。もちろん目線キープの鉄則を忘れてはいけません。
両ひざをできるだけ動かさず、目線を保ったままで胸が目標を向くまで回します。肩や腰を回すとは考えず、体幹部の捻りを意識します。
前傾姿勢のキープでは、直立姿勢よりも意識すべきポイントが増えます。
前傾姿勢をつくると直立姿勢以上にきつさが感じられますが、お腹に力を溜めておき、アドレスの前傾角度が変わらす内容に体を左右に回しましょう。
前傾姿勢を保つには重心がツマ先側やカカト側に片寄ってはいけません。ツマ先体重になると上体が前のめりになりやすく、カカト体重では上体が起きてしまいます。
土踏まずから拇指丘にかけての部分に重心を意識すれば下半身に安定感が生まれて、前傾角度を保ちやすくなります。
スイング中にアドレスの前傾角度が変わらないようにできれば、インパクトの再現性が向上し、ミート率が劇的にアップします。
「目線を動かさない」というと左右を意識しがちですが、前後にも動かさないよう注意しなくてはいけません。
一般ゴルファーに多いミスとして、内藤コーチはボールをよく見ようとしてインパクトで顔をボールに近づけてしまう動きを挙げています。
これは言うまでもなく前傾角度が変わってしまうのでNGです。
地味な印象の練習ですが、大きな成果が期待できます。
簡単そうで、案外難しく感じられますが、アドレスの前傾角度をキープして体を左右に回せるようになれば、スイングの半分以上は完成したも同然です。
この動作がスイングの核であり、木にたとえれば幹の部分です。幹さえ正しく動いていれば、枝葉の腕や手の動きはそんなに狂わないのです。
機会があったらチャレンジしてみて下さい。