ゴルフスイングの記事を読んでいると「体重移動」「重心移動」といった言葉が出てきます。
頻出する言葉ですが、イメージとしては似ているので、違いがはっきりとは認識されていないむきもあるようです。
かくいう当サイトでも厳密に探せば混同しているところがあるかもしれません。
このたび、この二つの違いについての解説を中井学プロの著書「誰もいわなかったシンプルゴルフのすすめ」で見つけました。
一部を抜粋して紹介します。
(このコンテンツは同書の102~105ページを参考にしています。以下、太字など文字修飾は当サイトによるものです)
誰もいわなかったシンプルゴルフのすすめ
※「試し読み」・Kindle版あります
重心移動の結果体重が移動する
体重移動というと、一般的にこのような認識です。
ゴルフスイングには「体重移動」が付き物です。
バックスイングで体重を右足に乗せて、ダウンスイング以降では左足に体重を乗せるという具合いに昔から言われていますが、最近ではあまり体重移動という言葉自体が使われなくなってきました。
(※管理人注:本書の初版は2017年です)
それでは「重心」とは何なのでしょうか。
中井プロの解説です。
人間の体重の多くは頭や胴体の重さであり、体のほぼ真ん中の部分です。
重心とは重さの中心と書くように、アドレスで重心を感じておくのは体のほぼ中心部、つまりは臍下丹田です。
おヘソのすぐ下の「丹田」と呼ばれるツボの部分が重さの溜まっているところであり、アメリカではコアと呼んでいます。
これら二つを理解したうえで、体重移動と重心の関係をまとめるとこのようになります。
丹田を左右に回すことで重心移動が行われるのが本当の意味での体重移動であり、体重を意識的に左足に乗せようとしたり、切り返し移動で体重を左足に乗せようとしたりしたのでは体全体を左右に揺さぶって、スウェーを引き起こすことになります。
丹田が動くことで結果として体重が移動する、というわけです。
つまり体重を移動させるための動作はありません。
このように体重移動という言葉が、様々な誤解や勘違いを生んでしまうのです。
体重移動という概念を捨てて、おヘソを左右に回すだけで重心移動が自然に発生するというくらいに考えて下さい。
体重を移動させるのが目的ではなく、正しいスイングをすれば自然と重心が移動しているというわけですね。
丹田を意識するメリット
体重移動は意図的にやるものではないのです。
移動させようとするものではないのですが、丹田を意識しておくことのメリットはあります。
丹田に重心を意識しておくと、体幹部にパワーを溜めておくイメージが明確になります。
ヒップターンやアームローテーションをしっかりと支えることができ、下半身が無駄に動いしてしまう悪癖の解消にも大きく役立ちます。
正直言いまして、私はこれまでスイングにおいて丹田を意識することはほとんどありませんでした。
動かす対象としてではなく、中井プロが指摘されている重心としての丹田ですね。
存在を意識しておくと今後何か違ってくるかもしれません。
(その他に意識することが多すぎて、それだけの余裕があるかわかりませんが・・・)