米国LPGAティーチングプロの今井貞美コーチは、そのわかりやすい指導が広く支持されています。
雑誌「ゴルフトゥデイ」の25周年企画「飛ばしレッスン総選挙」でも1位を獲得しています。
そんな今井コーチは、アドレスにおいて
確実にスコアがよくなる3つの鉄則
を提唱されています。
以下にポイントをまとめます。
(このコンテンツはGOLF TODAY 2017年 2月号145~151ページを参考にしています)
今井貞美コーチ スコアが安定しない原因はアドレス
今井コーチによると、「たまに80台を出すけど、100を叩くことも多い」など、スコアが安定しない人はスイングよりもアドレスに問題があるのだそうです。
さらには「スイングの98%はアドレスで決まる」とも。
今井コーチの3つの鉄則を以下にまとめます。
アドレスはスイングにおいて最も基礎的な要素ですが、あらためてチェックするためにも参考にしてみて下さい。
鉄則その1 肩を目標に向けるのはNG
「目標を見て構える」
当たり前のことじゃないか、と言われそうですが、このやり方では、肩のラインが目標を向いてしまうことが多くなります。
「肩が目標を向くのも当たり前なのでは?」とも思えますが、今井コーチによると、正しいアドレスとは
目標を向くのはフェースだけで、肩のラインが目標を向くことはありません。
肩が目標を向いている状態をイメージしてみて下さい。
両肩を結んだラインと、飛球線およびスイングの方向がクロスするはずです。これではスイングがカット軌道になり、振りづらくなってしまいます。
なので、肩のラインは目標の左を向くのが正解です。
言い換えると、肩のラインと飛球線は平行にならなくてはいけません。この二つの線は延長しても交わらないのです。
今井コーチが推奨する、目標に正しく向くためのアドレス手順は以下のとおりです。
2 フェースを目標に向けてクラブを握る
3 ボールと目標を結ぶラインと両足、腰、肩のラインを平行にして前傾
このアドレスであれば、肩の向きとクラブを振る方向が一致しているのでスイングが容易になります。
鉄則その2 7Iではシャフトが左に傾くように構える
アイアンでは、アドレス時にシャフトが地面にまっすぐ下りていると振り遅れやすくなります。
「左に傾くように」とは、アイアンをソールした時に手が少し前(飛球方向)に出てハンドファーストの構えになることです。
といっても、手が前に出すぎてもダメです。目安は
グリップエンドが左腿の付け根を指す
くらいの角度です。
今井コーチの解説です。
そもそもアイアンはロフト通りにソールすると手が前に出て、ややハンドファーストの構えになるクラブ。
ハンドファーストの目安は、構えた時にグリップエンドが左足の付け根を向くことです。
この角度でアドレスできるとソールが地面にピタリと着くのでソールを使って振り抜けます。
多少ボールの手前にヘッドが落ちても、ダフりほど大きなミスにはなりません。
構えた時に、手がヘッドよりも左側にあるのが正しい形です。
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鉄則その3 前傾ではお尻は上に向け 背筋はピンと
今井コーチのアドレスの鉄則3つ目は、前傾でのお尻と背すじです。
この二つを以下に解説します。
お尻は上に向ける
お尻が下を向いていると、かかと体重になって、スイング中の体重移動がスムーズにできなくなります。
これを防ぐには、お尻を上に向ける必要があります。
すると体重が足全体に乗るのでバランスがよくなり、体重移動がしやすくなります。
真上にポンとジャンプして、ヒザを柔らかく曲げて着地してみましょう。
重心が下がって下半身がどっしりしてバランスのよい姿勢になっているはずです。
その時の下半身がアドレス時の姿勢の目安になりますが、膝を曲げすぎるとお尻が下がってしまうのでよくありません。
ちなみに今井コーチはアドレスの理想型を
下は大木、上は柳
としています。
「下半身は大木のようにどっしりと、上半身は柳のようにゆったりと」というわけですが、ここでのポイントは上半身に力を入れないこと。
上体に力が入ると、柳のようには動けません。常にリラックスを心がけましょう。
バランスを崩さず、スイングを安定させるには、ヒップアップと同時に次の「背すじの伸び」も重要です。
背筋を伸ばすことの重要性
「振りやすいアドレス」には、ある程度個性が出るものですが、スイングの再現率を高めるためには外せないポイントがあります。
それは
適度に背筋を伸ばすこと
です。
そのためにはアゴを上げて顔は下に向けず、目線だけ下げる「下目使い」で構えることです。
背中が丸まってしまうと、スイング中に体が伸び縮みして、上下動が激しくなってしまいます。
今井コーチの解説です。
顔を下げず、背骨から頭まで真っすぐになるように首を伸ばし、アゴを上げると背すじが適度にピンと伸びます。
アドレスでこの形ができるとスイング軸である背骨が安定するので、スイング中の回転がスムーズになり、上下動も防げてスイングの再現率が高くなります。
アゴが上がるとテークバック時の左肩がアゴの下に収まり、上体の伸び上がりを防げます。
またフォロー時には右肩がアゴの下に来るまでにヘッドアップしない粘り強さと長いフォローが生む効果も期待できます。
今井コーチが挙げる”アドレスの鉄則”は以上です。
「構え方」の話なので基礎的過ぎたかもしれませんが、意識していなかったポイントもあったのではないでしょうか。
スイング改善の参考にしてみて下さい。