ミスショットが続いた時、まず何を考えますか?
私もそうなのですが、「スイングのどこがおかしいのでは?」と考えがちではないでしょうか。
そしてこれは至極まっとうな反応だと思うのですが・・・
こういう時、内藤雄士コーチはこのようにアドバイスされています。
「ミスショットが出るときはスイングよりもアドレスを疑おう」
これはどういうことなのでしょうか?
内藤コーチの著書「ゴルフ 現代スイングの結論」から、そのココロをまとめます。(54~55ページ、62~65ページを参考にしています)
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ミスショットの原因の8割は間違ったアドレスにある
まずは内藤コーチのこの言葉をどうぞ。
ミスショットの原因の8割は、アドレスの間違いにあるといわれます。
スマホにより写真や動画の撮影はいつでも可能になりましたが、自身のアドレスをじっくり見たことのあるゴルファーは意外と少ないのではないでしょうか。
そのためアドレスに修正すべき点があってもそれがわからず、ずっと間違った構えのままというケースは意外と多いと考えられます。
体が目標に対して正しく向いていなかったこともミスの原因ですが、自分の気づかないうちにアドレスの姿勢のバランスが崩れているためにミスが発生することもよくあります。
プロたちはそれがよくわかっているから、ミスしたときはアドレスを真っ先にチェックします。
「スイングの〇〇を直してみよう」「ここをもう少しこうして」など、スイングのあちこちを変えているとハマッてしまうこともあります。
ミスショットが止まらないからといってスイングばかりを疑うと、修正がかえって難しくなってしまいます。
アドレスのここをちょっとだけ修正してあげれば簡単に直せるのに、肩をもっと回そうとしたり、クラブを上げる方向を変えたりしては、体の動きが余計にチグハグになります。
アドレスの姿勢のバランスが良くならない限り、体の動きが良くなるはずがないのです。
ミスショットが頻繁に出るときは、スイングよりもアドレスを疑うべきです。
それでは具体的にどこを直すべきなのでしょうか?
修正すべき点はゴルファーごとに違うので、それらを全てカバーするのは無理です。
なのでここでは内藤コーチが「アベレージゴルファーに最も多い、間違ったアドレスの例」を二つ紹介します
アドレスに多いミス2つ 右ひじの突っ張り&左ひじの伸び
一番やりがちなミスはこちら。
もっとも多いのは右ヒジが突っ張っていて、上体が左に傾いたアドレスです。
ボールを上から覗き込むような姿勢になり、体重が左足に多く乗ります。
これはゴルフの構えの特性から起きやすいミスなのだそうです。
なぜそうなりやすいかというと、アドレスでは左手よりも右手を体から少し遠ざけて握るため、右腕が伸びて右肩が前に出てしまいやすいからで、この場合は両手がウィークグリップとなるのが大半です。
スイングの軌道は肩のラインによって決まりますから、右肩が前に出た姿勢ではバックスイングでクラブがアウトサイドに上がり、ダウンスイングでもアウトサイドから下りてきます。
この軌道ではフェースが開いて当たるとスライス、フェースがかぶるとヒッカケになってしまいます。
もうひとつの間違った例は、左ひじが伸びて右ひじを手前に引き、上体が右に傾いた姿勢です。
この場合は当然右足体重になり、両手が極端なストロンググリップになります。
こうしたアドレスになっていないか、まずはチェックしなくてはいけません。
その方法を紹介します。
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間違ったアドレスのチェック法と解消法
こうしたNGアドレスではないかはどのようにチェックすれば良いのでしょうか?
右ひじが突っ張って、上体が左に傾いた姿勢になりやすい人は、まずアドレスの姿勢から上体を起こし、真っ直ぐに戻してみてください。
構えたときはフェースをスクエアに合わせていても、上体を真っ直ぐにして両ヒジを水平にすると、フェースが開くことがすぐにわかります。
右に傾いてしまう場合も同様の動作をしてみましょう。
同じように上体が右に傾きやすい人もアドレスの姿勢から上体を起こし、真っ直ぐに戻して両ヒジが水平の体勢をつくってみましょう。
この場合はフェースが閉じてしまうことが一目瞭然です。
そしてこれらのNGを解消するための、内藤コーチのポイントはこちら。
両ヒジを水平にし、両ヒジを両腰骨に向け、上体を垂直にしてからクラブヘッドを真っ直ぐに下ろしてアドレスをつくることが何よりも大事です。
内藤コーチのアドレス理論では、ヒジの向きは最重要ポイントと言って過言ではありません。
スイングが変になったらヒジをチェックするというほど。
以下に詳しく紹介します。
ポイントは両ヒジの向き スイングがおかしくなったらチェック
内藤コーチはアドレスの際、両ヒジの向きを大変重要視されています。本書を読んでみて、アドレスにおいては最も強調されているという印象を受けました。
「アドレスの要点は両ヒジを両腰骨に向けること」
「両ヒジの向きを間違えなければ正しい腕使いが自然にできる」
として、次のように解説されています。
両ヒジが突っ張ったり、両ヒジを大きく曲げて横に張ったりしないように、両腕をリラックスさせて両ヒジを下に向けましょう。
両ヒジを両腰骨に向けると、両ワキに適度な締まりが感じられます。腕を脱力させて構えることで、両腕の重さによって両ワキが自然に締まります。
この締まり感覚をスイング中もキープすれば、体の回転と腕の振りが同調し、クラブを理想的な軌道に乗せやすくやります。
この意識は腕や手を変に使わないことにも貢献します。
腕や手を使いすぎてしまうと、体の回転との連動が阻害されます。
バックスイングで右ヒジが大きく浮き上がるフライングエルボーになったり、クラブをインサイドに低く引きすぎて両腕が激しくロールしたりするのが、その典型です。
腕や手が暴れれば暴れるほど、体幹部の回転に歪みが発生します。
スイング中に体の軸が左右に傾いたり、頭が上下動したりして、アドレスの前傾角度が保てなくなるのです。
そして内藤コーチの結論がこちら。
ヒジの向きに気をつけていれば、スイングにおいていいことずくめなのだそうです。
スイングがおかしくなったらアドレスの両ヒジの向きを疑おう
アドレスの際の両ヒジの向きが適切なら、スイング中に両ヒジが過度に動いてしまうこともなくなります。
バックスイングで右ヒジが自然にたたまれ、フォロースルーでも左ヒジがスムーズにたたまれます。
自分で意図しなくても、体幹部の回転に連動して、正しい腕使いが自然にできてしまうのです。
両ワキをきつく締めたり、両ヒジを無理やり体に引きつけたりしなくて結構です。両肩や両腕を楽にして、両ヒジを両腰骨のほうに向けるだけです。
これで誰が見てもバランスの良いアドレスがつくれてしまうのですから、きっと不思議に思うことでしょう。
正しいアドレスを作るために何を重視するかは、人によって様々です。
コーチによって内容が違う、と言ってもいいでしょう。
なのでここで紹介した「両ヒジの向き」は数あるポイントのひとつとして参考にしてみて下さい。
これまであまり意識してこなかったのであれば、アドレスを改善するための選択肢にヒジの向きを加えてみてはいかがでしょうか。
7分過ぎからアドレスに関する解説です。こちらも参考になります!