ゴルフのスイングにおいて、グリップは基本的に「軽く握る」よう推奨されています。
当サイトでもその旨の記事が多いのですが、しっかり握るよう勧められるクラブもあります。

それはパターです。
森守洋コーチが著書「苦手を得意に変えるパッティング」で、パターのグリップは強めに、と解説されています。
同書の56~57ページから、一部を抜粋して紹介します。
パターは最もしっかり握る フェース面のスクエア管理に
森コーチは「パターは14本の中で両手を一番しっかり握る」としています。
グリップを握る両手の力加減としては、ドライバーやアイアンなどのショットよりもいくらか強めがいいと思います。
「両手に持った小鳥を逃がさないくらいの強さ」とはよくいいますが、両手の握り方がそれぞれ違えば、グリッププレッシャーも自ずと変わってきます。
「強めに」といっても、やはり加減があります。
しかし、体を完全固定させて、まるでロボットのように関節が作動しないくらいに力を入れたり、ガチガチに固めたりしてはいけません。
関節が動かないと腕がスムーズに振れず、無理に動かそうとするとインパクトからフォロースルーにかけてパターヘッドが跳ね上がるような動きになりがちです。
パットの場合、ショットよりもスイング振幅が小さいので、体をスムーズに動かすのが難しい面があります。全身が連動しにくいので、器用な手先だけで処理しようとする動きが加わりやすいのです。
緩すぎるグリップにはこのような弊害があります。
逆に両手をゆるゆるに握るのも良くありません。硬く握りすぎるよりは、緩すぎる人のほうが多いかもしれません。
軽く握りすぎて両手に隙間が出たり、ストローク中にグリップが動いたりすると、フェース面のスクエア感覚に支障をきたすことになります。
手首をこねやすいので、やはりフォロースルーでパターヘッドが跳ね上がりやすいのです。悪い意味での振り子運動になってしまうわけです。
パットはフェース面をキープするという独特の目的があります。
パターはフェース面をスクエアに管理することが大前提です。
ドライバーやアイアンのようにボールを遠くに飛ばすのではなく、ボールの先のスパットに向けて真っ直ぐ打ち出せたかどうかに勝負がかかっています。
道具面で考えてもヘッドスピードを上げる必要なんてないし、遠心力でヘッドを加速させるわけでもありません。
ですから14本のクラブの中では、グリップを一番強く握るのが理にかなっているのです。
青木功選手にはグリップの強さの基準がありました。
青木功選手の「左手の小指のツメが白くなるくらいに握る」という言葉を聞いたことがあります。これも良きアドバイスといえます。
強過ぎない範囲で、しっかり握るのがベストでしょう。
右手だけでパターを持って打ったり、左だけで打ってみたりして、両手の適切な力加減のバランスを感じ取ってください。





