ゴルフ好きの男の子倉本昌弘プロは、「優勝争いのストレスを感じたことがない」そうです。
 
その舞台で戦えているうれしさ、心地よさの方がずっと大きいのだとか。

ゴルフはメンタルのスポーツと呼ばれます。
 
中でも特に精神面の強さが問われるのは、”最後のシメ”となるパットではないでしょうか。
 

 
倉本プロは、勝負を決める大事なパットでは外さない自信と実績を持っています。この強さを実現するメンタルとはどのようなものなのでしょうか。
 
またプレー中はどのような意識を持っているのでしょうか。
 
雑誌「週刊新潮」2017年5月4・11日号のコラム「冒険ゴルフ」を参考に、以下に紹介します。




↓練習グリーンの様子で、上位に来る選手かどうか?がわかるそうですよ。

「ハンデをもらってる」から負けない

ゴルフ好きの男の子倉本プロは、トーナメントの三日目を終えた時点でトップに立っていたら、まず負けたことがありません。
 
プレッシャーに負けて逆転され優勝を逃す選手もいますが、倉本プロの場合その心配はないのです。
 
このメンタルの強さの源は、「ハンディをもらって、負けるわけがない」という意識です。
 
パッティング
 
ここでの”ハンディ”とは、打数差のことです。
 
最終日の開始時点で2位の選手と2打差がついているなら、「2打のハンディをもらっている」と考えるのです。3位以下の選手はもっと多くのハンディを背負ってスタートすることになります。
 
それで実力にあまり差がなければ、1位が負けるわけがない、というわけです。倉本プロはずっとこの意識でプレーしています。おかげでリードを保ったまま優勝する試合が圧倒的に多いのです。
 
最終18番ホール、「入れれば優勝」という1mのパット。
 
優勝経験のないゴルファーやアマチュアは、プレッシャーに負けて外してしまうことがあります。一方で、まず外さないゴルファーも存在します。
 
倉本プロいわく、

青木功さんや中嶋常幸さん、そして僕は、こういうパットを絶対外さない。

そうです。
この「外す」「外さない」の違いは何によって生まれるのでしょうか。

外さない考え方 松山英樹選手も同様

ゴルフ好きの男の子こういう場面で、倉本プロは「入るのが当たり前」と考えてパットしています。
 
そしてこのパットについて、こういう見方もしています。

実は、入れたら優勝というパットは、外しても負けるわけではない。最悪でもプレーオフになるだけだ。
 
外しても負けないのだから、こんな楽なパットはない。僕はそんな気持ちで打っている。

そしてこれこそが、勝負どころでハズさない、勝てるメンタルであり、松山英樹選手にそれを感じるとされています。

そういう割り切りができるかどうかも、勝負に勝てる選手の要素ではないだろうか。
 
最近の松山英樹選手を見ていても、それを感じる。松山は「強迫観念に勝つ精神力」を持っている。
 
飛ばさなければ勝てないのではないか、ここで失敗したらどうしよう、といった脅迫観念をまったく抱かない。常に「できる」と信じ、「自分のゴルフでいいのだ」という強い意志を持ってゴルフをしている。
 
それが松山の強さを支えているように感じる。

実際のところ、アマチュアはプロほど勝負に執着していません。パットの成否が収入に直結することはないのです。
 
それでも、
 
「上達したい」
「前回よりも良いスコアを出したい」
「(心の中でこっそり)あの人に勝ちたい」

 
とは多くのゴルファーが考えているでしょう。
 

 
それならば、倉本プロの「ハンデをもらってるから負けない」「入るのが当たり前」といった考え方を採用してはいかがでしょうか。
 
始めたばかりの初心者でなければ、パットに限らず上達している技術はいくつもあるはずです。その経験を、倉本プロの「強迫観念に勝つ精神力」につなげるのです。
 
たとえばバンカーショットであれば、「一発で出さないとマズいなぁ」と脅迫観念を抱くのではなく、
 
「前回の似たような場面で上手く打てたから、今回も大丈夫だろ」
 
と考えてみるのです。
 
カラ元気や虚勢ではなく、実際に上手くいった経験があるのですから、説得力のある(?)自己暗示になるはずです。