ティーショットでは、多くのゴルファーが「飛ばすぞ!」と意気込むのではないでしょうか。
しかしスイングで力が入ると、往々にしてショットの精度は落ちますし、ドライバーで打っても思うほど飛距離は出ないものです。
ティーショットに限りませんが、スイングに力が入るとイマイチな結果に終わる理由について、「禅ゴルフ」で有名なジョー・ペアレント氏はこのように解説されています。
アベレージゴルファーが考える「飛距離を出す」とは、より強くスイングすることであるが、それは筋肉の過度な収縮を招くことになる。
それによりスイングアークや、腕の動作が小さくなり、飛距離が出なくなる。
ボビー・ジョーンズは、
「ティグラウンドでのミスの大半は、構えた時になって、あと数ヤードのばそうとすることが原因だ」
と述べている。
ペアレント氏が指導していた生徒がティショットに悩んでいました。
その生徒はドライバーを上手く使えなかったので、ティショットでは3番ウッドを使っていました。
しかしやがて、その3番ウッドでのティショットも上手くいかなくなってきました。
ペアレント氏は、「これはおそらく、あと数ヤードを欲張って、ティショットを目一杯振っているからだ」と見ます。
そこでペアレント氏がこの生徒に送ったアドバイスは
ティショットを刻むショットと考える
ことです。
それにより生徒は、リラックスしたスイングができるようになり、飛距離も延びるようになったのです。
ペアレント氏はこう提言しています。
パー4、5のホールでは、すべてのティショットを刻むショットとして考えてみてはどうだろうか。
どのクラブを使うかに関わらず、いつ何時も力の限り打つのではなく、2打目が打ちやすい地点を狙う。
すると、あまりにも激しく振り回しすぎることはなくなり、ナイスショットできる可能性が高まる。
リラックスしたスイングだと、実は想像以上に飛距離が伸びる可能性があるとわかって、きっと驚くはずだ。
「パー5だから飛ばしたい」と考えてしまいがちですが、実は「ティショットで刻んでみるか」という意識のほうが、飛距離・精度ともに理想的な結果をもたらしてくれるのかもしれません。
(このコンテンツはGOLF TODAY 2017年2月号(Amazon)138~139ページを参考にしています)